2016年06月06日

~ 「弁証法」という考え方が、個人にも会社にも新たな変化をもたらす ~

夢と情熱シニアビジネス経営コンサルタントの青木です。

けっこう久しぶりの投稿になってしまいました(汗)


皆様、お元気でしょうか?


僕自身は、5月のゴールデンウィークのアメリカ合衆国ニューヨーク州へのビジネストリップから帰国後、横浜、名古屋の日々の業務、コンサルティング、そして名古屋本社の法人税決算申告なども重なり5月は目一杯の忙しさでした。

そして、やっと6月を迎えることができた次第です。


ただし、現在もまだまだ事象、人、出来事に対して自分の頭の中が「混乱」「混沌」の渦に巻き込まれており、何か落ち着かない日々を送っております。


そんな中、僕の日々のルーティンでもある尊敬する経営者、「平成進化論」の著者鮒谷周史さんのビジネスメルマガを読んでいて、思わず目が止まった一節がありました。

ちょっと、引用してみますね。



・・・・・(ここから)・・・・・

■私の中では

 「自問自答」
 
 は大切なキーワードの一つとなっています。


 「外部の刺激を受け、

  混乱と混沌が生まれ、

  思考装置が回り始め、

  (ときに思考の、しばらくの沈潜を
   伴いつつ)

  ポンッ!と新たな発想が生まれてくる」

 
 のは、自問自答を繰り返すから。



■そしてここからが大事なところですが、

 「自問自答は
  勝手に生まれてくるものではない」

 のです。


 あくまで外部からの刺激が入り、
 
 自身のこれまでに築いてきた思考回路と
 新たな概念がぶつかり合うことによってのみ、

 過去の蓄積と、新しい刺激を統合しようと
 する試みが生まれます。


 
■この内的な試みこそが

 「自問自答」

 の正体であり、


 弁証法的に言えば、

 テーゼとアンチテーゼを統合し、
 ジンテーゼを導き出す作用、

 すなわち

 「アウフヘーベン(止揚)」

 はこの過程から生まれるのです。


 つまり、

 自問自答しなければ止揚されない
 (=新しい回路が開かれない)

 ということ。



■自問自答しなければ
 新たな回路が開かれず

 (=より一層の高みに上ることはできず)

 その自問自答は外部刺激によってしか
 生まれない、

 とするならば、


 自分以外の考え方に触れ、

 自分の信念、思いに
 (あえて)ヒビを入れることが極めて重要、

 ということになるのではないかと
 考えているのです。


・・・・・(ここまで)・・・・・


上記にもあるような
■「テーゼ」

■「アンチテーゼ」

■「ジンテーゼ」

そして、「アウフーベン(止揚)」という弁証法の考え方。


実は、つい最近も、弊社のスタッフに社員教育の一環でお話ししたばかりだったのです。

大学時代は、「社会勉強」という名の遊びにうつつを抜かし、勉強らしい勉強はほとんどせず、学校に行くのもテスト前だけという僕でしたが(笑)、唯一この「弁証法」についてだけは衝撃を受け、学び、そしてこれまでその考え方を武器にして人生を生きてきました。


「自問自答」という下りがありますが、この記事にもあるようなある種、前向きな意味での「自問自答」は、僕自身、今後の自分自身の成長や幅を広げる上でも、とても重要なことだと考えています。

ただし、逆の意味での狭義の「自問自答」はあっても、なかなかこの本質的な「自問自答」を実行している人はなかなか少ないというのが現状です。


僕が思うに、個人事業主のように「個人」として活動していようが、1人以上の組織、団体、コミュニティーに身を置いて活動している人であっても、この弁証法的な考え方を理解し、実践していかないと、なかなか自分が思うような結果、幸せ、成功という形を作っていくのは難しいと思います。


例えば・・・

【組織の中に身を置いている場合】
ここに、AさんとBさんの二人がいるとします。
AさんもBさんも、それぞれの「考え方」「信念」「想い」を持ち日々の業務、人生を生きているとしましょう。

もし、Aさんを中心に考えるのなら・・
Aさんの「考え方」「信念」「想い」が、【テーゼ】になります。

そして、それ以外のBさんの「考え方」「信念」「想い」は、【テーゼ】に対する【アンチテーゼ】になります。

ただ、ここでよく起こる事象として、Aさんの考え方によっては、この【テーゼ】と【アンチテーゼ】が所謂「対立事項」になる確率がすごく高いということです。


言葉で表現するなら、【「A」 VS 「B」】ということになるのでしょうか。


Aさん:「私の考え方は、Aである」 =イコール 「Bさんの考え方は認められない。間違っている」


そして、そのAさんの考え方、反応を受けて・・・

Bさん:(だったら・・)「私の考え方は、Bである」 =イコール 「Aさんの考え方は認められない。間違っている」


このように、結果として、BさんもAさんに対して「対立姿勢」で臨むことになってしまう。


これが、【「A」 VS 「B」】、即ち「対立」「衝突」「喧嘩」の正体です。



でも、これがもし逆に・・・

Aさんが、弁証法的な考え方を持っていたら・・・

Aさん:「私の考え方は、Aである」

       ↧
   
   「そして、BさんにはBさんの考え方があり、それも理解できる」
       
       ↧

   「では、私の「A」という考え方と、Bさんの「B」という考え方を織り交ぜて、何か新しい「C」という考え方、解決策、概念を生むことはで 

ないものだろうか?」


恐らく、このような展開になります。
結果として、AさんとBさんの人間関係はお互いに尊重され、そして二人のコラボによって新しい発想、解決策が生まれることでしょう。


ここにおいて、新たな生まれた「C」という考え方が、上記にもあった「ジンテーゼ」であり、この過程のことを「アウフーベン(止揚)」と呼ぶのです。


以前にこのブログでもお伝えしましたが、スティーブン・コヴィー博士の著書「7つの習慣」においては、人の成長過程については、3段階に分かれると言われています。


①「依存状態(物質的にも、精神的にも全て他者に依存している状態)」
   ↧
②「自立状態(物質的にも、精神的にも他者に依存せず、全て自分で判断して行動できる状態)」
   ↧
③「相互依存状態(「自立状態」にある者同士が、お互いの強みを生かしながらパートナーシップを組んで、さらなる成功を目指している状態)」


これは、あくまで僕の経験則ですが・・

弁証法的な考え方を持って行動できる人というのは、上記の②「自立状態」か③「相互依存状態」にある人に限られてくるのではないかという僕なりの仮説です。


そして、多分、当人には自覚はないと思いますが、物事に対して常に「批判的」であったり、「他責思考」であったり、あるいは自分とは考え方が180°違うと思われる相手に対して「リスペクト(尊重)が薄い」という傾向にある人は、この「弁証法」についての理解、把握が多分に不足しているようにも感じます。

言い方を変えれば、そのような人でさえも、この「弁証法」を理解し、行動していくことによって、個人としても、組織人としてもさらに幸せに過ごしていくことができるのではないかと思った次第なのです。


僕たちが生きている現代は、変化のスピードが本当に速い時代です。

ましてや、現代は、過去の日本の高度成長期のような「右肩上がり」の時代でもないのです。


【過去においての常識は、未来においての非常識】

であり、

日本と海外との対比においても、
【日本の常識は、海外の非常識】
でもあり、既に既成事実としてそうなりつつある。


ということは、これまでの過去の僕たちの常識、成功体験、行動パターンに囚われていてはならない。

鮒谷氏が言うところの新たな「外部からの刺激」を常に取り入れ、アウフーベン(止揚)して、明日の新たな自分、思考様式、行動様式を作って行かなければ、最後にはガラパコス(化石)化してしまうはず。

携帯で言う、ガラケーのように。。

そう思います。


だからこそ、個人の内的な試みでもある「自問自答」を通して、「弁証法」の本質でもある自分とは違う「人」「物」「考え方」に対して【リスペクト(尊重)】を持って接し、受け入れ、新しい価値、考え方を手に入れながら、個人も、会社も圧倒的な変容を遂げていかない限り、明日の繁栄はないと感じます。


僕自身は、「経営者」という立ち位置だから余計に感じるのかもしれないが、そのあたりの「危機感」がもの凄く強いのです・・

ただ、周りを見渡してみると、その「危機感」を感じて行動に移している人は、ごく僅かなんだと思ったりします。


皆様は、いかがお考えでしょうか?



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Posted by 青木 幸司           ケアブリッジ株式会社/グリーンランズ株式会社 代表取締役  at 17:17 │Comments(0)成功法則

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